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NTCサーミスタのB定数固有の仕様と選定法
2018/06/11 11:06:33

温度係数で選ぼうとしましたがカタログに項目がありません。B定数とか熱放散定数って何ですか


NTCサーミスタは温度で抵抗が変化しますが、室温で抵抗値の変化範囲が100~1000000Ωで、温度係数が-2%~-6.5%です。この特性を利用し、温度センサとして温度測定や温度補償用などに幅広く利用頂いています。


具体的には、基準温度[To(通常は25℃]の時の抵抗値をRo[Ω]としたとき、特定の温度[T℃]における抵抗値は以下の式で近似されます。

R=Ro exp{B(1/T ― 1/To)}

式から抵抗値を対数で温度を1/Tで目盛を刻めば特性は直線で表されることが分かります。また、式の係数Bは「B定数」と呼ばれサーミスタの感度を表す指標となります。ちなみにB定数の単位は[K(ケルビン)]です。


実際のB定数は温度で若干変わるので、カタログには25℃85℃50℃/100℃等もあり)で実測した値が記載されます。<図4>に異なるB定数について具体的な特性を比較したものを示します。B定数が大きいほど抵抗値の変化が大きいことは式からも分かりますが、全体としてはB定数が大きいほど Roも大きくなります。


選定の際はRoとB定数が基本になります。それぞれに許容誤差が規定されており、±1%クラスの精度を持つものもあります。なお、メーカでは製品毎の温度と抵抗値を表にしたものをホームページ等で公表しています。


いっぽうの「熱放散定数」というのはサーミスタ自身の発熱によって温度が1℃上昇する電力のことです。単位は(mW/℃)で表わされます。サーミスタは抵抗素子ですので使用時は電流を流して電圧として温度情報を取り出すため、その際の電流によって自己発熱します。通常は周囲の温度に応じた熱平衡温度で安定しますが、温度測定には誤差が加わることになります。熱放散定数はサーミスタの構造や材料、サイズなどで決定されます。類似のパラメータとしては温度の急変に対する応答性の指標となる「熱時定数」などがあります。


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