温度を検出するセンサには、サーミスタ、熱電対、測温抵抗体、半導体センサなどがあり、それぞれに特長があります。サーミスタは温度で抵抗値が変わる素子ですが、安価で検出感度が高いうえに室温を中心とした温度範囲をカバーします。つまり、デバイスとして汎用的であり非常に使いやすいわけで、一般の電子機器の内部で広く使われています。
感度については<図1>にそれぞれの常識的な値を示しました。サーミスタが如何に高感度であるかが分かると思います。ちなみにサーミスタには大きく分けてPTCとNTCの二つがあります。TCはTemperature Coefficient(温度係数)、PとNは各々Positive(正)とNegative(負)の意味です。つまり温度係数が正のものと負のものがあり使われる材料も異なります。PTCサーミスタは特定の温度を超えると急激に抵抗値が大きくなるデジタル的な変化をします。
この性質を利用して過熱時に回路を遮断したり機器を過電流から保護したりするのに用います。これに対してNTCサーミスタは広い温度範囲で抵抗値が一様かつ滑らかに変化します<図 2>。したがって温度を値として検出して制御する用途に適しています。
図2:NTC/PTCサーミスタの代表的温度特性
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